今回のテーマは、「叱り方」です。
よく“怒る”と“叱る”は違うと言われますが、その区別をして
部下や後輩、或いはお子さんを怒ったり、叱ったりしていますか?
一般的にも言われていますよね。
怒るは、自分のイライラ・怒りなどの感情を相手にぶつけている状態
叱るは、相手の言動の良くない点を相手のためを思い指摘している状態
2つの大きな違い・・・
“叱る”には、『相手の成長を心から望んでいる』という目的を意識して
そこに愛情を抱き伝えている、という心の状態があります。
どうですか?
ご自身の経験を振りかえってみて、
「本当は、部下や後輩、またはお子さんを成長させたい!」
「能力を伸ばしてあげたい!」
はずなのに・・・ 怒ってしまっていたんだ・・・
というエピソードがありませんか?
では、うまく叱りたいけれど、どう叱れば良いのでしょか?
そのヒントを具体的に紹介していきます。
そもそも叱る目的は、『相手の成長を望む』ことでしたよね。
ということは
相手が成長できるポイントに気づく必要があるということです。
それを踏まえて今回は、『よくない叱り方』と『効果的な叱り方』のポイントを紹介します。
それは、自己認識(自己意識)のレベルを5つの階層に分けピラミッド構造になっているという考え方を活用します。
叱る際には、このモデルの各レベル(層)を意識して伝えることがポイントとなります。
【よくない叱り方】
この考え方では、ピラミッドの上層レベルほど、心理的深層部への影響が大きくなると考えられています。
相手を叱る場合、
上層レベルに向けたメッセージほど心理的ダメージが大きいのです。
例えば、自分が次のようなメッセージを伝えられたと想定して読んでみてください。
◉ 価値観レベルに向けたメッセージ
「あなたは、仕事に取り組む姿勢がなってない」
「あなたは、勉強に対してやる気がないでしょ」
◉ 自己認識レベルに向けたメッセージ
「あなたはダメな人だね」
「あなたには無理」
普段からこのような叱り方による指導を受けていると、
ボディーブローを受けたかのようなダメージが蓄積されていきます。
これは、ジワジワと心を傷つけられていく可能性が高いのです。
価値観や自己認識レベルに影響を与える叱り方は、想像以上に心理的影響が大きいので避けた方が良いでしょう。
【効果的な叱り方】
ここでのポイントは、
相手が成長できるポイントに気づく・気づけるように
ピラミッドの『下層レベルに限定してメッセージを伝える』です。
◉ 現状・結果・環境レベルに向けたメッセージ
自身がどれくらいの練習量が必要だったのか、どんな練習環境で習得してきたのか、など学習環境のアイデアや知恵などを伝達します。
「プレゼン発表の時間が少し足りなかったんだ」
「練習がうまくいかなかったんだね」
◉ 行動レベルに向けたメッセージ
特定の技能やスキルを習得するために必要で具体的な“コツ・やり方”を伝え、見せるようにします。
「そのやり方が違うよ」
「練習量が足りてないんだよ」
◉ 能力レベルに向けたメッセージ
特定のプロセスを完成させるために不足している技術・スキルや知識を提示し言葉で伝えます。
「これを使いこなせるようになるには、○○の技術が不足しているよ」
「これを理解するには、○○の知識が必要だよ」
今回紹介したように“叱るポイントを意識”するによって、相手が成長ポイントに気づき、行動へと結び付けられるようになっていきます。
叱る際には、どの階層レベルで伝えるのかを意識して相手に伝えてみてはいかがでしょうか?